悪性リンパ腫

12歳のゴールデン・リトリバーが2週間前から立ち上がれなくなったとの事で来院。
半年前から首の下にできものがあり、あまり食欲もないとの事であった。

できものは首だけでなく全身の体表リンパ節が腫れており、リンパ節の細胞診を行い外注し、結果が返ってくるまでステロイド投与を行った。

検査結果は「悪性リンパ腫」であり、抗がん剤の投与を行った。食欲が出てきて、体表リンパ節の腫れは全てひいた。しかし、歩行状態だけは改善しなかった。歩けないのは全身状態が悪いせいであると最初考えていたが、改善が見られないことから、悪性リンパ腫の脳内転移を疑い、脳神経系にも効果のある抗がん剤を投与すると歩行できるようになった。

その後しばらくは寛解状態が続いたが半年後に再発した。レスキュー療法にて再び全身状態は改善したが、3か月後に再び再発し、再度のレスキュー療法にも反応し、全身状態は改善したがリンパ節の腫れは大きくなる一方であった。

これ以上の治療は苦しむことになる可能性が高く飼い主さんが望まれず、1年間元気に過ごせたことで大切な時間を得られたとおっしゃってくださったので治療を終了することになった。